一方、日本市場においてはこれまで、欧米系外資企業が一定のマーケットシェアを獲得し、成功を果たしておりますが、私どもは今後益々アジア系企業も日本市場を席巻していくと予想しています。
ASEAN加盟各国の中でも人件費が比較的低く、その一方で労働者の質は高いと言われているベトナム。人口の増加が続いており、国民の平均年齢も非常に若い人口構成となっています。
さらに今後は人口1億人を突破すると言われており、消費市場としても有望です。そのため、多くの外資企業から注目を集めているのは必然と言えるでしょう。また、中国への投資リスクを回避するという観点から、近隣のアジア諸国に第二の拠点を設ける「チャイナプラスワン」としても脚光を浴びています。
そんなベトナムに進出するメリット・デメリットとは何でしょうか? 本記事では、まずメリット・デメリットについてまとめた上で、最新の経済状況のデータをもとに、その背景を分析。さらに、アナタのベトナムビジネス成功のカギを握る、ベトナム進出サポート企業の探し方についてもレクチャーします。
メリット1 若くて意識と質の高い人材が豊富:
現在、ベトナムの人口は約9,720万人(2016年)で、6億人という巨大市場であるASEANの中でも3番目の人口を抱えています。さらに、平均年齢が28歳と若い上に人口増加は今後も続き、1億人を突破するとも言われています。その中で特筆すべきことは勤勉な国民性です。儒教の教えが強いため、新しい知識を貪欲に吸収し、かつ真面目に仕事に取り組みます。 また、技術力が高いことも評価されています。繊維産業が主力であることからわかるように手先が非常に器用です。そして、ITリテラシーも高く、細部に渡って質の高い仕事を期待することができます。若くて意識と質の高い人材が豊富であるということはベトナム市場の魅力のひとつです。さらに親日である国民が非常に多いことも付け加えておきます。
メリット2 資源が豊富で物価が安く、雇用コストも低い:
ベトナムは、米やコーヒー栽培を代表とする農業資源が豊富です。また、観光資源も豊富で、近年観光地としても人気を集めております。そうした中での物価の安さが、海外からの注目を集める理由のひとつにもなっています。たしかに近年、物価は上昇傾向にあると言われていますが、それでも日本の物価の約3分の1程です。 またコストが低いのは物価のみならず賃金においても同様です。国民の平均月給は約173ドル(約17,500円:ASEAN11ヵ国の人件費調査 〔2015年7月〕)とかなり低コストで雇用することができます。メリット1でも紹介しましたが、低コストである一方での、雇用の質の良さがベトナムにはあります。そのため、人件費が主要なコストとなるITオフショア開発事業などで進出をしている企業は少なくありません。
メリット3 右肩上がりを続ける成長、追い風となる国の政策:
ベトナムの国内総生産(GDP)成長率は7%以上で推移しています。1997年のアジア通貨危機で一時失速し、99年の成長率が4.8%までに下がったことがありますが、ここ15年間は安定した経済成長を続けています。 2007年にはWTO加盟を果たし、貿易の自由化も進められています。最近でも複数国との自由貿易化が進められています。それに伴い、近年貸出金利が引き下げられたり、税制優遇措置も実施されたりしました。ベトナム経済の競争力を高め、ビジネスの生産性を高める事を国が後押ししています。また、政府の定めた一部の分野以外には外資100%進出が認められていて、積極的に外資を呼び込む体制ができていることも進出へのメリットとなっています。
デメリット1 インフラ設備が整っていない:
ベトナムでも近年、様々な計画が進められていますが、インフラ整備が遅れていることは否めず、やはりデメリットのひとつと言えます。元々ベトナムは農業国家であり、インフラ整備が遅れてしまったという側面があります。ベトナム経済が注目されはじめたのは2000年代に入ってからであり、それまでホーチミンの市内でさえインフラ整備などは行っていませんでした。土壌がむき出しの道路もいまだに多く目立ちます。 また市内の光化学スモッグなども社会問題となり、空気汚染などといった環境問題も課題となっている状態です。またバイク普及率が非常に高いベトナム交通インフラでは、道路の不整備などから渋滞や事故に巻き込まれることも少なくありません。
デメリット2 国と国民の離れた距離、安定しない政策:
ベトナムは、中央政府で決定されたことが現場までに到達するのに時間がかかるということがあります。そのため不整合で不条理な場面に出くわすことが多々あります。役所では、担当している人によって言うことが違うことも多く、法外な罰金やチップを要求されることがあります。 また、政策がコロコロ変化したり、不確定な情報に振り回されたり、状況の変化に応じてすぐに前言を撤回したりすることもしばしばです。
デメリット3 離職率が高い:
ベトナム人は真面目で勤勉といわれることから、会社選びに関しても、日本同様、同じ会社に貢献し続けてくれると考えてしまうかもしれません。しかし、実際にはかなり離職率が高く、ある人材コンサル会社が調査したデータによると1年間のベトナムの転職率は19.4%と大変高いものでした。20代ベトナム人で転職経験のある人は74%という調査もあります(2014年、株式会社Asia Plus調べ)。4人に1人は3回以上転職をしています。 ベトナム人は社内のコミュニケーションを重んじます。日系企業が進出する際は、離職させないためにも言語の壁を乗り越え、コミュニケーションを密に取っていくことも大切なのです。
当社では、ベトナム市場進出を支援するため、現地ベトナム企業とのビジネスマッチングを実現することで、双方の事業メリットを果たしていく役割を担う、「企業誘致コンサルティング」「B to Bマッチング」「ビジネスアライアンスサポート」「マーケティング調査レポート」などを行っております。当社の最大の強みは、ベトナム本社経営陣の幅広いネットワークと行政機関とのパイプにより、優良且つ高付加価値のあるベトナム企業の経営者との関係を有していることで、安心して現地ベトナム企業へのご紹介が可能となっています。